外壁塗装を検討する際、重要なポイント

外壁塗装は必然的に劣化するもので定期的な塗替えが必要なのですが、その劣化の速度は日常生活の時間感覚に比べれば緩慢であるため、その重要性やタイミングについて直感的に理解しにくいことがあります。しかしそれを怠ると見た目が悪いだけではなく、雨漏りなどのより深刻な問題を引き起こします。ここでは外壁塗装を検討するときの基礎知識、タイミングと判別方法、コツについてお伝えします。

ポイント1 外壁塗装の基礎知識を知ること

外壁塗装 一宮

外壁塗装はオーダーメイドの一点物です。建物やその周辺環境は一軒ごとに異なり、それに合わせた施工が必要になります。同じ一宮市内であっても駅周辺部の街の中心地なのか、郊外で周囲が開けていて風にさらされやすい場所か、逆に周囲に建物が多く日陰になりやすい場所か、大きな国道沿いで自動車の交通量の多い場所か、などさまざまな状況があり、それによって外壁塗装が劣化するスピードや経年劣化の症状が異なります。
そのような様々な周辺環境や劣化状況に合わせて、高圧洗浄やシーリング工事などの下地処理や塗料の選択が必要となります。 そしてなにより、塗装工事は職人の手作業によるものですので、職人の技量と、適切な道具の選択、そしてしっかりとした施工管理が必要となります。
以上のことを、色や塗料や塗装箇所をお客様のイメージを大切にしながら、しっかりと作業できる業者を選ぶことが外壁塗装を検討する際に必要なことだといえます。

ポイント2 適切な塗替えのタイミングを知ること

外壁塗装 一宮

建物の外壁塗装工事は、新築から8年〜10年後ぐらいが適切な時期となります。2回目、3回目の外壁塗装工事は前回の塗料、施工内容、成功技術レベルによって異なり、大まかには8年〜15年後となります。
一般的な木造一戸建て建築の耐用年数は50年と言われます。不動産取引的には築25年で価値をなくします。そのため、建物というのは建っている間に何度も塗り替えるものといえます。家の寿命に比べて塗料の劣化のサイクルが早いことには理由があります。塗装は建物よりも早く劣化することによって建物を守るからです。
建物でいちばん大切なものはもちろん中に住んでいる人ですが、建築だけを見ると柱などの構造物が一番大切です。これが劣化すると建て替えが必要になります。その構造物を守っているのが外壁や屋根です。外壁や屋根は日光や風雨で劣化します。しかしこれらを交換すると費用がかかりますので、日光や風雨を外壁や屋根の代わりに受け止めて身代わりに劣化するのが塗料の役目です。そのため塗料は、塗替えをすることを前提に、ある程度早いサイクルで劣化するようになっています。しかしあまり早いサイクルでも煩瑣ですので、塗料の種類によって標準的な耐用年数には差があり、塗料を選ぶ際にはコストや性能のバランスを取ることが大切になります。
このように、塗料の耐用年数がまちまちであり、さらに劣化速度は日当たりや風雨の当たり具合など建物状況や環境にも左右されることから、いつが塗り替え工事に適切なタイミングなのかは一概にはいえず、建物ごとに異なります。しかし、下記の症状が出てきたら塗り替えのタイミングです。8年ぐらいたったら塗り替え工事がどのみち必要になるものと大まかに捉えておき、詳細は外壁を観察して下記の症状をチェックするのが良いでしょう。

外壁塗装の変色・退色
日光に含まれる紫外線は塗料を劣化させる原因となります。紫外線が塗料の主成分の一つである酸化チタンに照射されると「ラジカル」という物質が発生します。ラジカルが発生すると塗膜が破壊され、塗料が劣化します。
これは何年もかけて徐々に起こる作用なので日常生活の中では変化がゆっくりで気付きにくいですが、確実に起きている現象となります。
チョーキング
チョーキングは塗料の白亜化ともいい、外壁を触ると手に白い粉が付くことです。この白い粉は雨や紫外線によって塗料の中の合成樹脂が分解されて顔料が粉状になったものです。 モルタル外壁や窯業サイディング外壁で起こりやすく、日光のよく当たる箇所を指でなぞってみて白い粉が付着すればチョーキングが起こっています。チョーキングを放置しておいて自然に回復することはなく、塗料の劣化の結果ですので放置をするとそこからカビやコケの発生など他の被害を引き起こすことになります。
カビやコケの発生
塗料が剥がれた場所に雨があたり風が砂を運んで、カビやコケの発生しやすい環境ができてしまいます。カビやコケはさらに水や砂を溜めやすくなり、繁殖していきます。これらは見栄えが悪いだけではなく、塗料をさらに剥がれやすくし、外壁材を破壊します。
塗装や壁面のひび割れ発生
塗膜だけに留まっている軽いひび割れをヘアークラックといい、塗膜を通り越して下地まで及んでいる重いひび割れをクラックといいます。
ひび割れは様々な原因によって発生します。ヘアークラックは塗料の劣化によって起こることもありますし、日光による乾燥で水分蒸発によって収縮が起こることで発生することもありますし、塗装の施工不良や建物の構造の歪みによって発生することもあります。
シーリング材の劣化・破断
シーリング材とはペースト状の材料で、コーキング剤とも呼ばれ、目地や隙間に充填することで防水性や機密性を維持するためのものです。シーリング材は日光の紫外線や雨風によって劣化しやすく、ひび割れなどが起こったときに、もともと建材の境目に充填するものなので、被害が大きくなりやすい傾向を持ちます。
塗装の膨れ・剥がれ
塗装の膨れや剥がれは様々な原因によって起こります。上記の原因による外からの水の侵入や内部結露などから発生した水分が熱を吸って塗装を下から膨らませてしまうこともあります。塗料は色によって蓄熱効果が異なるため、色の組み合わせによっては熱を持ちやすくなり、塗料をしたから膨らませて剥がれてしまうということも起こります。
錆の発生
外壁に鉄材が使用されることは多くありませんが、ベランダやガレージなどの付帯部分に使われることは多く、それらの鉄が錆びます。これそのものも建物全体としてみたときの経年劣化そのものですが、外壁に接続する部分では錆びによる影響(腐食や、それに起因する水分や汚れ)を受けやすくなります。
外壁材の爆裂・欠損
台風などで強風が吹いたときに、木の枝などが外壁に衝突し外壁材が物理的に破損することがあります。木や森が近くにあったり、郊外で周囲に建築物がなく風の当たりやすい立地であるときに起こりやすくなります。

ポイント3 準備作業と塗装範囲にこだわる

外壁塗装 一宮

塗装にどのような劣化のパターンがあるのかは上述のとおりですが、それらの劣化部分をそのままにして、その上に塗料を上塗りしても、新しい塗料はまたすぐに剥がれてしまいます。しかし塗りたての塗料というのはそんな状態でも一見うまく塗れているように見えるので、塗装工事における手抜きの多い箇所になります。
塗装作業の準備作業として、高圧洗浄によるカビやコケなどの汚れの除去や、外壁補修工事の有無が、外壁塗装の仕上がりや、外壁塗装後の耐久性に大きく影響します。特に外壁目地やサッシ部分のシーリング部分の確認がポイントとなります。
また、建物はベランダやガレージ屋根や壁などの付帯部分と含めて一体ですので、これらを外壁と一緒に塗装すると、建物の見栄えが一層良くなります。